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牛乳と乳飲料の違いは?どっちがいいか管理栄養士が解説

管理栄養士コスモスの栄養・ダイエットガイド
コスモス

こんにちは、管理栄養士のコスモスです。

スーパーの牛乳売り場には、見た目がそっくりなパックがずらりと並んでいますよね。「牛乳」「低脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」。どれを選べばいいのか、迷ったことはありませんか。

この記事でわかること

  • 牛乳・成分調整牛乳・低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・加工乳・乳飲料の法律上の違い
  • 100gあたりのエネルギー・たんぱく質・脂質・カルシウムの比較表
  • ダイエット・たんぱく質補給・カルシウム重視、目的別の選び方

30秒でわかる!牛乳・加工乳・乳飲料の違い

種類別ひとことで言うと
牛乳生乳100%。成分を加えたり除いたりしていない
低脂肪牛乳生乳100%から乳脂肪分の一部を除いたもの
加工乳生乳や牛乳に、脱脂粉乳・クリームなどの乳製品を加えたもの
乳飲料生乳や乳製品を主原料に、コーヒー・果汁・栄養成分など乳製品以外も加えられる飲み物

いちばん簡単な見分け方は、パックの「種類別」欄を見ること。商品名や色だけで判断せず、ここを確認すれば迷いません。

先に結論からお伝えします。見分け方は、パッケージに必ず書いてある「種類別」の欄を見ることです。そして、カロリーを抑えたいなら低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・低脂肪タイプの加工乳が有力候補になります。低脂肪タイプはカロリーが低いのに、たんぱく質とカルシウムはむしろ多い傾向があるからです。

それぞれ順番に見ていきましょう。

牛乳と乳飲料、どっちがいいの?

先に私の答えをお伝えします。毎日の1杯として飲むなら牛乳、味を楽しみたいときは乳飲料、という分け方がいちばん迷いません。

理由は原料のルールにあります。「牛乳」と名乗れるのは生乳100%のものだけです。いっぽう乳飲料は、生乳や乳製品を主な原料にしつつ、コーヒーや果汁、糖分なども加えられます。同じ売り場に並んでいても、中身の決まり方がまるで違うんですね。

乳飲料は牛乳の代わりになりますか?

栄養で見ると、置き換えとしては物足りない場面があります。食品成分データベースの100gあたりの値で比べてみましょう。

食品名たんぱく質カルシウム
普通牛乳3.3g110mg
乳飲料(コーヒー)2.2g80mg
乳飲料(フルーツ)1.2g40mg

出典: 文部科学省「食品成分データベース」(100gあたり)

フルーツ乳飲料のカルシウムは40mgで、普通牛乳の110mgと比べるとかなり少なめです。たんぱく質も1.2gで、普通牛乳3.3gの半分以下でした。

そこで場面ごとに分けてみます。骨のためにカルシウムを摂りたい日、運動のあとにたんぱく質を補いたい日は、乳飲料では代わりになりにくいと考えてください。逆に、おやつの一杯や気分転換の一杯なら、乳飲料を選んで困ることはありません。

ただし、カルシウムや鉄分を強化した乳飲料もあります。製品ごとの差が大きい部分なので、最後は栄養成分表示で確かめるのがいちばん確実です。

乳飲料に牛乳(生乳)は入っていますか?

入っています。乳等命令は乳飲料を「生乳、牛乳、特別牛乳若しくは生水牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料」と定めています。つまり乳が主な原料であること自体は、国のルールで決まっているわけです。

では、どれくらい入っているのか。ここが少し込み入っています。

牛乳や低脂肪牛乳の成分は、乳等命令という国のルールに数値があります。ところが乳飲料については、乳等命令に乳固形分の数値の定めがありません。かわりに「乳固形分3.0%以上」と決めているのは、業界の自主ルールである「飲用乳の表示に関する公正競争規約」です。景品表示法にもとづくルールで、参加している事業者に適用されます。

数字の比べ方にも注意が必要です。乳飲料の3.0%は乳固形分、つまり乳脂肪分も含めた合計の割合です。いっぽう牛乳の8.0%は無脂乳固形分で、乳脂肪分を除いた残りを指します。牛乳を乳固形分でそろえると、無脂乳固形分8.0%以上と乳脂肪分3.0%以上を足して11%以上になります。同じ「%」でも、測っているものが違うんですね。

「種類別」は国のルールで決まっています

牛乳類の区分は、メーカーが自由に名乗っているわけではありません。「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」、通称「乳等命令」(旧称は乳等省令)という国のルールで決められています。

パッケージの「種類別」欄に書ける名称と、その主な条件はこちらです。

種類別主な原料乳脂肪分無脂乳固形分
牛乳生乳100%3.0%以上8.0%以上
成分調整牛乳生乳100%(成分の一部を除去)規定なし8.0%以上
低脂肪牛乳生乳100%(乳脂肪分の一部を除去)0.5%以上1.5%以下8.0%以上
無脂肪牛乳生乳100%(乳脂肪分をほぼ除去)0.5%未満8.0%以上
加工乳生乳に乳製品(脱脂粉乳・クリームなど)を加えたもの規定なし8.0%以上
乳飲料生乳や乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えた飲料規定なし規定なし(※)

出典: 「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」(乳等命令)

※乳飲料は乳等命令に乳固形分の数値の定めがありません。「乳固形分3.0%以上」と決めているのは、業界の自主ルールである「飲用乳の表示に関する公正競争規約」(第2条第7項)です。景品表示法にもとづくルールで、参加している事業者に適用されます。

「無脂乳固形分」は聞き慣れない言葉ですよね。乳から水分と乳脂肪分を除いた、残りの成分のことです。たんぱく質・カルシウム・乳糖などがここに含まれます。

ポイントは2つあります。1つ目は、「牛乳」「低脂肪牛乳」などと名乗れるのは生乳100%のものだけという点です。2つ目は、「低脂肪牛乳」と「低脂肪タイプの加工乳」は別物という点です。前者は生乳から脂肪を減らしたもの、後者は脱脂粉乳などを加えて作ったものになります。

乳飲料はさらに2タイプに分かれます。カルシウムや鉄分を加えた「白もの」と、コーヒーや果汁と糖分を加えた「色もの」です。カフェオレ系の飲み物の多くは、種類別でいうと乳飲料に当たります。

パックのどこを見れば見分けられますか?

見るところは「種類別」の欄です。ここには、その商品が牛乳なのか加工乳なのか乳飲料なのかが書かれています。

この欄を表示すること自体は、食品表示基準という国のルールで義務づけられています。商品によって「種類別」ではなく「種類別名称」と書かれていることがありますが、これも同じ基準で認められた書き方です。

いっぽう、その文字を四角い枠で囲むこと、商品名のすぐそばにも書くこと、活字の大きさをそろえることなどは、さきほどの公正競争規約とその施行規則が決めています。国の義務ではなく業界の自主ルールなので、参加していない事業者の商品では見え方が違うこともあります。

商品名からもわかること

商品名にも決まりがあります。公正競争規約では、商品名として「牛乳」の文字を使えるのは、牛乳・特別牛乳・成分調整牛乳・低脂肪牛乳・無脂肪牛乳に限られます。加工乳と乳飲料は商品名に「牛乳」と書けません。

「成分無調整」という言葉も同じで、施行規則では牛乳と特別牛乳だけに認められています。この2語のどちらかが書いてあれば、生乳100%のものだと見当がつきます。

「特濃」「濃厚」と書けるのは、無脂乳固形分8.5%以上かつ乳脂肪分3.8%以上のものです。こちらも規約の基準で、2つの条件を同時に満たす必要があります。

なお、ここでいう乳脂肪分は規約が定めた基準値です。この記事で紹介している成分表の「脂質」とは測っているものが違うので、数字が近くても別のものとして見てください。

切欠きと公正マークについて

牛乳のパックには、開け口の反対側に扇形のへこみが付いていることがあります。「切欠き」と呼ばれ、種類別が「牛乳」のものだけに付けられる目印です(出典: 一般社団法人Jミルク)。

ただし任意の表示なので、すべての商品に付いているわけではありません。付いていれば牛乳だと判断できますが、付いていないから牛乳ではない、とは言えないんですね。

パックの「公正マーク」も同じ考え方です。業界の自主ルールに参加して、その基準どおりに表示している事業者が付けられる目印です。国が義務づけたものではないので、付いていない商品が違反というわけではありません。繰り返し使うガラス瓶などには付けない決まりにもなっています。

乳飲料や加工乳が牛乳より安いのはなぜ?

売り場でよく浮かぶ疑問だと思います。正直にお伝えすると、価格差がどこから生まれるのかを説明した公的な資料を、私は見つけられませんでした。ですので、確かなことだけを書きます。

はっきりしているのは、使える原料の幅が違うという点です。牛乳は生乳100%でなければ名乗れません。加工乳は生乳に脱脂粉乳やクリームなどの乳製品を加えられます。乳飲料の場合はさらに、乳製品以外のものも使えるルールです。

原料の自由度が違えば、作り方の選択肢も変わります。ただ、それがそのまま値段の差になっているかどうかまでは、私には確認できませんでした。値段だけで中身を判断せず、種類別の欄と栄養成分表示を見てから決めるのが確実だと思います。

カロリー・たんぱく質・カルシウムを比較(100gあたり)

次に、栄養価を数字で比べてみましょう。文部科学省の食品成分データベースから、100gあたりの値をまとめました。

なお、成分表には「低脂肪牛乳」そのものの収載がありません。近い存在として「加工乳(低脂肪)」の値を紹介します。市販品は製品ごとに異なりますので、実際の値は栄養成分表示で確認してください。

食品名エネルギーたんぱく質脂質カルシウム
普通牛乳61kcal3.3g3.8g110mg
加工乳(低脂肪)42kcal3.8g1.0g130mg
加工乳(濃厚)70kcal3.4g4.2g110mg
乳飲料(コーヒー)56kcal2.2g2.0g80mg
乳飲料(フルーツ)46kcal1.2g0.2g40mg

出典: 文部科学省「食品成分データベース」(100gあたり)

この表から読み取れることは3つあります。

まず、低脂肪タイプは普通牛乳よりエネルギーが約3割低いこと。61kcalに対して42kcalです。それでいて、たんぱく質は3.8g、カルシウムは130mgと普通牛乳を上回っています。脂肪を減らしたぶん、乳の固形分がぎゅっと詰まっているイメージですね。

次に、コーヒーやフルーツの乳飲料は、たんぱく質とカルシウムが少なめなこと。フルーツ乳飲料のたんぱく質は1.2gで、普通牛乳の半分以下です。しかも糖分が加えられた製品が多いので、「牛乳の代わり」と考えるのは少しもったいない選択かもしれません。

最後に、濃厚タイプの加工乳は名前のとおりエネルギーも脂質も高めなこと。コクを楽しみたい日のごほうび枠と考えるとよさそうです。

目的別の選び方

ダイエット中なら: 低脂肪・無脂肪タイプ

カロリーを抑えたいなら、低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・低脂肪タイプの加工乳が候補です。100gで19kcalの差でも、毎日1杯飲む人なら積み重なっていきます。

注意したいのは、コーヒー系の乳飲料です。低カロリーに見えても砂糖が加えられた製品が多いので、栄養成分表示の「炭水化物」もチェックしてみてください。

たんぱく質を補いたいなら: 低脂肪タイプが意外な優等生

たんぱく質の量で見ると、加工乳(低脂肪)は3.8gと普通牛乳の3.3gより多めです。脂質を抑えながらたんぱく質を確保したい人には、低脂肪タイプがぴったりですね。

参考までに、たんぱく質の1日の推奨量は成人男性で65g、成人女性で50gです(年齢区分によって異なります)。出典: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

年齢別の推奨量はたんぱく質は1日どれくらい?にまとめてあります。

自分に必要な量を知りたい方は、食べたものをタップするだけで計算できるたんぱく質計算機をどうぞ。

ほかの食品と見比べたい方は、高たんぱく低脂質の食品一覧もどうぞ。コンビニや外食で選べるものを数字で並べています。

カルシウム重視なら: 低脂肪タイプか強化タイプ

カルシウムは加工乳(低脂肪)が130mgでトップでした。脱脂粉乳で補強されているためです。

また、乳飲料の中にはカルシウムを強化した「白もの」タイプもあります。こちらは製品ごとの差が大きいので、パッケージ裏の栄養成分表示を見て選ぶのが確実です。

高齢の家族には低脂肪タイプでいいですか?

ここは、脂肪を減らすのが正解とは限らない場面です。

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、たんぱく質の目標量の下限が年齢とともに引き上げられています。18歳から49歳までは13%エネルギー、50歳から64歳は14%エネルギー、65歳以上は15%エネルギーが下限です。同じ基準の脚注には、必要エネルギー摂取量が低い方では下限が推奨量を下回る場合があり得るとも書かれています。

食が細くなってきたご家族に、カロリーの低いものばかりをすすめると、必要な量そのものが入らなくなることがあります。そういう場合は、あえて脂肪を減らさない選択もあります。

もちろん、脂質異常症などで医師から脂肪を控えるよう言われている方は別です。判断に迷うときは、主治医や担当の管理栄養士の指示を優先してください。

よくある質問

Q1. スキムミルク(脱脂粉乳)とはどう違うのですか?

スキムミルクは、乳から脂肪分と水分を取り除いて粉末にした「乳製品」です。飲み物の種類別区分(牛乳・低脂肪牛乳など)とは別のカテゴリになります。

粉の状態では、100gあたりエネルギー354kcal、たんぱく質34.0g、脂質1.0gです。カルシウムは1100mgと豊富です(出典: 文部科学省「食品成分データベース」)。数字が大きく見えますが、これは粉100g分の値です。実際は水に溶かして飲むので、1杯あたりの栄養は溶かす量で決まります。保存がきいて料理にも使いやすいのが強みですね。

牛乳の代わりに使うときの換算量は、スキムミルクと牛乳の違いは?代用の換算早見表つきで早見表にまとめました。

低脂肪乳と比べてどちらを買うか迷うときは、低脂肪乳とスキムミルクの違いは?用途別どっちが得かもご覧ください。

Q2. 低脂肪乳は「まずい」と聞きますが、本当ですか?

味の感じ方は人それぞれなので、数字で違いを見てみましょう。コクのもとになる乳脂肪は、普通牛乳が100gあたり3.8gに対し、加工乳(低脂肪)は1.0gです。種類別の規格を見ても、牛乳の乳脂肪分3.0%以上に対して、低脂肪牛乳は1.5%以下とされています。

つまり「薄く感じる」のは脂肪が少ないぶん自然なことです。物足りない場合は、乳脂肪分がやや多い成分調整牛乳を試すという中間の選択肢もあります。

味が苦手でも続けやすい方法は、低脂肪乳がまずい・薄いと感じる理由と、おいしく飲む5つのコツで具体的に紹介しています。

Q3. 子どもにはどれを選べばいいですか?

一般論としては、成長期にはエネルギーや脂質も大切な栄養素なので、普通牛乳が基本の選択肢になりやすいです。乳飲料は糖分が加えられた製品が多い点も覚えておくと安心ですね。

ただし、必要な量や種類は体格や食事全体のバランスで変わります。アレルギーや体質の心配がある場合を含めて、かかりつけ医や管理栄養士に相談してください。

Q4. 低脂肪タイプや乳飲料に替えると、体重は減りますか?

「これに替えれば減る」と言い切れるものではありません。体重は1日全体の食事量と活動量で決まるからです。

そのうえで数字を見ると、普通牛乳は100gあたり61kcal、加工乳(低脂肪)は42kcalです。毎日1杯飲む習慣がある方なら、この差は積み重なっていきます。

気をつけたいのはコーヒー系の乳飲料です。カロリーが低く見えても糖分が加えられた製品が多いので、栄養成分表示の「炭水化物」も合わせて見てみてください。

低脂肪乳をダイエットに取り入れるときの具体的な選び方は、低脂肪乳はダイエット向き?普通牛乳とのカロリー・栄養比較で詳しく解説しています。

Q5. 牛乳を飲むとお腹がゆるくなります。低脂肪タイプなら大丈夫ですか?

残念ながら、低脂肪に替えれば解決するとは限りません。

お腹の張りやゆるさに関わる乳糖は、脂肪ではなく無脂乳固形分のほうに含まれます。そして牛乳・成分調整牛乳・低脂肪牛乳・無脂肪牛乳・加工乳は、乳等命令でいずれも無脂乳固形分8.0%以上という同じ下限が課されています。脂肪を減らしても、そちらは減らないわけですね。

合わないと感じるものを無理に続ける必要はありません。症状が続く場合は自己判断で対処せず、医師にご相談ください。

低脂肪乳や加工乳を手作りヨーグルトに使えるかは、低脂肪乳や加工乳でもヨーグルトは作れる?固まる仕組みと失敗しにくい選び方で詳しく解説しています。

まとめ

最後にポイントをおさらいします。

  • 見分け方はパッケージの「種類別」欄。区分は乳等命令(旧・乳等省令)という国のルールで決まっている
  • 「牛乳」「低脂肪牛乳」を名乗れるのは生乳100%のものだけ
  • 低脂肪タイプはカロリー約3割減で、たんぱく質・カルシウムはむしろ多め
  • 乳飲料はたんぱく質・カルシウムが少なめで、糖分入りの製品が多い
  • 迷ったら栄養成分表示を見て、自分の目的に合う1本を選ぶ

同じ売り場の1本でも、目的に合わせて選ぶと毎日の栄養が少しずつ変わっていきます。今日の買い物から、「種類別」欄をのぞいてみてくださいね。

持病などで食事制限のある方は、主治医や担当の管理栄養士の指示を優先してください。

参考資料

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