ポテトサラダが翌日水っぽくなるのはなぜ?水の出どころは、じゃがいもではありません
こんにちは、管理栄養士のコスモスです。
昨日のうちに作っておいたポテトサラダを、朝に容器から出したら、底にうすい水がたまっていた。あるいは、全体がもったりして重くなっていた。そんな検索でこのページにたどり着かれたのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。
底にたまる水は、じゃがいもから出たものではありません。成分表で見ると、じゃがいもは水分79.8%、きゅうりは95.4%です。水を多く抱えているのは、いもより野菜のほうでした。
「水っぽい」と「もったり重い」も、別の失敗です。前者は野菜の水、後者はでん粉の出すぎで、直す場所が違います。
なお、この記事では「何日もつか」は扱いません。水っぽさは品質の話で、日持ちは衛生の話だからです。保存の考え方は作り置きはいつまで食べられる?にまとめてあります。
この記事でわかること
- 翌日の水がどこから来ているのか(成分表の水分値で比べます)
- きゅうりをどこまで絞ればいいのか(給食の現場で測られた実験値があります)
- 同じキユーピーが「塩もみしない」と「時間をおくと水が出る」の両方を書いている理由
- もったり重くなるのと、ボソボソするのは、別の失敗だということ
- 公式に書かれている範囲だけで組み立てた、次に作るときの順番
まず、どれに近いですか
容器のふたを開けたときの様子で選んでみてください。
A. 底にうすい水がたまっている
野菜から出た水です。この記事の前半をご覧ください。
B. 全体が糊っぽく、もったり重い
でん粉が出すぎています。つぶした温度と、混ぜた回数の話になります。
C. 油が浮いていて、口に重い
マヨネーズを入れた温度が関係している可能性があります。
D. ボソボソして粉っぽい
冷蔵庫の温度帯で起きる、でん粉の変化です。
AとBは対策の場所がまったく違います。Aは野菜の下ごしらえ、Bはじゃがいものつぶし方です。
水を抱えているのは、いもより野菜のほうです
まず、材料それぞれがどれくらい水を持っているかを見ておきます。文部科学省の食品成分データベースで、可食部100gあたりの水分を調べました。
| 材料 | 水分(100gあたり) |
|---|---|
| きゅうり(果実・生) | 95.4g |
| たまねぎ(りん茎・生) | 90.1g |
| にんじん(根・皮つき・生) | 89.1g |
| じゃがいも(塊茎・皮なし・生) | 79.8g |
| マヨネーズ(全卵型) | 16.6g |
出典: 文部科学省 食品成分データベース(2026年8月19日確認)
いちばん水を持っているのはきゅうりで、じゃがいもとは15ポイント以上の差があります。ボウルの中でいちばん水が少ないのは、意外にもマヨネーズでした。
この順番が分かると、絞る対象が決まります。じゃがいもの水を飛ばすより、きゅうりと玉ねぎの水を先に抜くほうが、量として効くわけです。
ちなみに、じゃがいもの加熱方法でも水分は変わります。水煮80.6g、蒸し78.8g、電子レンジ調理78.0gです。ゆでると、いも自身も水を含みます。
塩をあてると水が出るのは、濃さの差があるからです
なぜ塩をふると水が出るのでしょうか。公益財団法人 塩事業センターの「塩百科」に、そのものの解説がありました。
塩には脱水作用があり、濃度が2%以上の食塩水は、野菜から水を吸い出すことができます。
同じページによると、野菜の浸透圧は1.0MPa以下のものがほとんどで、2%の塩水は約1.5MPaです。仕組みも書かれていました。
この濃度以上の塩水に野菜を漬けると、浸透圧の差によって野菜の細胞内の水分が細胞の外に引き出されて脱水されます
浸透圧というのは、濃さの違う液体が膜をはさんで接したときに、水が濃いほうへ移ろうとする力のことです。野菜の細胞は、その膜で包まれています。
つまり、塩をふった時点で水は出始めます。マヨネーズ自体にも塩は入っていて、成分表の食塩相当量は100gあたり1.9gです。
ただし、和えたあとのポテトサラダの塩分濃度がこの2%の線に届くかどうかまでは、資料が見当たりませんでした。ここで断定はしません。
きゅうりは、どこまで絞ればいいのか
ここは、調べていていちばん収穫のあったところでした。
「よく絞る」と書いてあるレシピは多いのですが、どこまで絞るかを測った資料はなかなか見当たりません。探したところ、給食の現場向けに実測した研究がありました。
川村短期大学の橋谷淳子先生と樋口由季先生が、栄養学雑誌(1981年)に「野菜の脱水」という報告を出しています。冒頭にこう書かれていました。
水分の多い野菜は下調理の段階で、水分をある程度とり去っておかないと、和えた後水が出て味を損う
まさに、いま困っていることそのものです。
実験はこう組まれています。野菜の重量に対して1%の食塩をふり混ぜ、室温に15分間置きます。それを手で絞り、減った割合を脱水率としました。そのうえで5%きざみで絞り具合の違う試料を4種類つくり、調味酢で和えて試食し、順位法で比べています。
結果です。
手切りではキャベツが30%、きゅうりと大根が40%の脱水量が好まれ、機械切りはキャベツが35%、きゅうりと大根は45%の脱水量が好まれた。
きゅうりは、重量の40%が抜けたところがいちばん好まれました。100gのきゅうりなら60gまで軽くなる計算です。感覚で「軽く絞る」より、かなりしっかりした量になります。
にんじんは手切りで15%と、ずいぶん少なくなっています。報告では、水分がほかの野菜より少ないためと説明されていました。成分表でもにんじんは89.1gで、きゅうりの95.4gより低くなっています。
条件は添えておきます。この実験の判定はパネル8名の官能検査で、和えたのは調味酢であってマヨネーズではありません。きゅうりの切り方は小口薄切り、厚さ1.5mmです。ポテトサラダで測ったものではないので、目安として受け取ってください。
玉ねぎについては、キユーピーの公式手順に一行あります。
加熱後玉ねぎは水気をしぼっておく。
レンジで加熱したあと、しぼる工程が入っています。
「塩もみしない」と書いてある公式もあります
ここで、読者を迷わせている食い違いに触れておきます。
キユーピーのポテトサラダの基本レシピには、こう書かれています。
きゅうりは、塩もみはせずに生のままだと「しゃきしゃき」した食感になり、フレッシュ感が味わえます。
塩もみをしない選択肢が、公式に示されているわけです。続けて、こうも書かれていました。
きゅうりを塩もみした場合は、食感がやわらかくなり、味の主張も弱くなるため、ポテトサラダになじみやすくなります。
一方で、同じキユーピーのコールスローの基本レシピには、逆に読める記述があります。
食べる直前に和えましょう。時間をおくと、野菜から水分が出て水っぽくなります。
塩もみしなくていいのか、時間をおくと水が出るのか。どちらなのだろうと思われるかもしれません。
これは矛盾ではありませんでした。前者は「すぐ食べる」前提の食感の話で、後者は「時間をおく」前提の話です。見ている場面が違うだけです。
読み替えるとこうなります。作ってすぐ食べるなら、塩もみなしのしゃきしゃきを取る選択があるということ。翌日まで置くなら、時間をおく側の記述が効いてきます。
作り置きで水っぽくなって困っているなら、後者の場面にいるということです。
糊っぽく重いときは、でん粉が出すぎています
ここからは症状Bの話です。水は出ていないのに、全体がもったり重い。これは別の現象でした。
キユーピーの基本レシピに、はっきり書かれています。
マッシュは熱いうちに!じゃがいものでんぷん質を包むペクチン層は熱いうちは弾力性があります。そのため、熱いうちにつぶすとでんぷん質の粒が壊れず、ホクホクした食感に。冷えてからつぶすと弾力のなくなったペクチン層は壊れてしまい、でんぷんが流出して、もちのような粘りが出てしまいます。
ペクチンというのは、植物の細胞と細胞をつないでいる成分です。
この説明には、かなり古い裏づけがあります。お茶の水女子大学の松元文子先生と杉野学園短大の橋谷淳子先生が、家政学雑誌(1963年)に「マッシュポテトに関する実験(第1報)」を出しています。
じゃがいも(男爵)を約40gに切って30分ゆで、室温に置く時間を変えてうらごしにかけた実験です。中心温度は、放置0分で91℃、20分で50℃、40分で40℃、60分で26℃でした。
放置時間0分のものはうらごすのに大きい力を要することなく粘りは全く出ない
置く時間が延びるほど、うらごしにくくなりました。
60分のものは相当に粘ることが認められた
粘りの正体は、顕微鏡で確かめられていました。
うらごしにかける操作はいもの細胞を分離させることで、この際粘るというのは細胞膜が破れて糊化した澱粉が流れ出ることに外ならないことが顕微鏡によって観察された。
同じ論文には、サラダを名指しした一文もありました。
サラダなどを作る時、加熱じゃがいもを熱いうちに切れば、庖丁につくものは澱粉糊ではなくて分離した細胞である
大阪市立環境科学研究所附設栄養専門学校の瓦家千代子先生も、生活衛生(1985年)の解説で同じ機構を書いています。
細胞膜のペクチンは加熱して温度が高いとき,流動性を生じるので細胞は分離しやすい
温度が下がるとどうなるかも続けて書かれています。
温度が下がると流動性を失うので,加熱したいもをさめてから裏ごしする場合,強い力を加えなければならず,裏ごししたいもが粘りを生じることになる
これが,じゃがいもやさつまいもを熱いうちにマッシュする理由である。
混ぜる回数でも、でん粉は出ます
つぶす温度だけではありません。混ぜる量も効きます。
キユーピーとデリア食品が2022年に出した研究報告があります。じゃがいもとマヨネーズソースを混ぜる工程に絞って調べたものです。
研究の結果、じゃがいもを蒸した後に粗熱を取って(40℃)、適度に撹拌すると、ソース部分へデンプンが程よく分散することが分かりました。
比べたのは3条件で、40℃で撹拌が短いもの、40℃で撹拌が長いもの、10℃で撹拌が短いものです。結果はこうでした。
②はソースの口どけが悪く、油っぽい評価であり
②というのは「40℃で撹拌が長いもの」、つまり混ぜすぎた側です。理由も説明されていました。
②はデンプンの流出が多く、ソースがもったりとする
1963年の顕微鏡観察と、2022年のメーカーの研究が、同じ現象を見ていることになります。細胞が壊れてでん粉が流れ出ると、ソースがもったりする。ここはおよそ60年をまたいで一致していました。
なお、この官能評価はキユーピーの研究員9名によるものです。自社の試験条件つきの結果として受け取ってください。
つぶすのは熱いうち、和えるのは冷めかけ。順番が別です
ここまで読むと、混乱するかもしれません。熱いうちにつぶせと言われ、40℃まで冷ましてから和えろとも言われるからです。
実はこの2つ、同じキユーピーの1ページの中に並んで書かれています。工程が別なので、両立します。
つぶす工程はこうです。
ゆでたじゃがいもは熱いうちに皮をむき、木べらを用いて固形感が残る程度にマッシュしたのち、粗熱をとる。
和える工程はこうです。
マヨネーズを加えるタイミングは、つぶしたじゃがいもの上に手をかざして、ほんのりと温かさを感じる程度(約40℃)の時がおすすめです。粗熱をとることで、マヨネーズの分離を防ぐことができ、また、じゃがいもに味がなじんでしみ込みやすくなります。
つぶすのは熱いうち。そのあと粗熱を取る。和えるのは約40℃。順番はこうなります。
温度計がなくても判定できる方法まで書かれているのが親切なところです。手をかざして、ほんのり温かさを感じる程度が目安になります。
マヨネーズの量にも公式の目安がありました。
マヨネーズの量は素材総重量の約20%が目安です。
油が浮いていたら、マヨネーズを入れた温度です
症状Cの話です。
キユーピーとデリア食品が2019年に出した研究報告があります。ただし先にお伝えしておくと、これは味の研究であって、水っぽさの研究ではありません。
比べたのは3つの温度帯です。加熱直後の70℃以上、粗熱を取った40℃、冷蔵庫で冷やした15℃以下。それぞれにマヨネーズを加えて混ぜ、味の感じ方を調べています。結果はこうでした。
①:70℃以上は、マヨネーズがしみ込んでいる点は良いが、味が均一でじゃがいもの風味がない、舌に重く感じる、油っこい。
③:15℃以下は、表面しか味が付いていない、じゃがいもとマヨネーズの一体感がない。
熱すぎると油っこく、冷たすぎると表面だけ。真ん中の40℃がよかった、という研究でした。評価はフリーコメント方式で、パネルは研究員8名です。
一方で、「冷蔵庫に一晩入れるとマヨネーズが分離する」という説明は、今回私が開いた資料には見つかりませんでした。キユーピーのお客様相談室が書いているのは、次の条件です。
マヨネーズは0℃以下に置かれると油が分離しますので、冷蔵庫でも冷気の当たる場所は避け、ドアポケットあたりに置いてください。
0℃以下、しかも冷気が直接当たる場所という条件つきです。ふつうの冷蔵室で一晩置いた程度で分離する、とは書かれていません。
学術的にも同じ線でした。岩手大学農学部の三浦靖先生が日本食品科学工学会誌(2012年)で、マヨネーズのようなO/W型のエマルションについてこう述べています。
コーヒーホワイトナーやマヨネーズ,ソフトクリームミックスなどのO/W型エマルションは,凍結・解凍により乳化破壊が起きて油相・水相の相分離が起きることが多い
条件は凍結と解凍です。冷蔵ではありません。
ですので、この記事では「翌日の水はマヨネーズが分離したもの」とは書きません。根拠が見当たらないからです。
ボソボソするときは、冷蔵庫の温度帯です
最後に症状Dです。水っぽさとは逆に見えますが、こちらもよく起きます。
共立女子大学の木下枝穂先生らが、日本調理科学会誌(2007年)に、ゆでたじゃがいもの保存についての報告を出しています。生のじゃがいもを98℃で20分加熱し、マッシャーでよくつぶしてから、家庭で一般に用いられる保存方法を想定して保存したものです。
でん粉がどれくらい糊化した状態を保っているかを、糊化度という数値で測っています。水でゆでた場合の結果はこうでした。
| 保存方法 | 糊化度 |
|---|---|
| 煮熟直後 | 97.40% |
| 室温20℃で8時間 | 89.67% |
| 冷蔵5℃で24時間 | 57.31% |
| 冷凍マイナス20℃で1週間 | 79.23% |
出典: 木下枝穂ほか「煮熟ジャガイモの老化に及ぼす本みりんの影響」日本調理科学会誌 Vol.40 No.5(2007年)
冷蔵24時間がいちばん低くなっています。論文の中でも「最も老化しやすい保存条件の冷蔵24時間保存」と表現されていました。
温度帯についての記述は、もっと古い論文にあります。家政学雑誌(1971年)の「イモの調理に関する基礎的研究(第1報)」です。
もっとも老化に適した温度は、2℃~5℃で、したがって冷蔵庫中では老化が促進される。
家庭用冷蔵庫の冷蔵室が、ちょうどこの温度帯です。
でん粉の老化そのものについては、冷凍ご飯の記事で詳しく書いています。同じ現象なので、冷凍ご飯がまずくなる本当の理由をご覧ください。
ひとつ正直にお伝えしておきます。ポテトサラダそのものの離水量を測った研究は、今回の資料の範囲では見つかりませんでした。老化と離水のつながりについて言えるのは、三浦先生の解説にある次の記述までです。
白濁,離水などの品質劣化は,このデンプン老化に起因することが多い
ポテトサラダで何g出るという数字は、ここでは作りません。
マカロニサラダは、少し事情が違います
マカロニサラダも同じ悩みで検索されますが、機構が一つ増えます。
キユーピーのマカロニサラダの基本レシピに、こうありました。
また、マカロニがマヨネーズの水分を吸収することを抑えられるのでしっとりとした状態を保てます。
ゆでたマカロニの水気をきったあと、オリーブ油やフレンチドレッシングをかけておく工程についての説明です。マカロニ側は「水が出る」より「水を吸う」話になります。
野菜から水が出る部分だけが、ポテトサラダと共通しています。じゃがいものでん粉の話は、そのままは当てはまりません。
次に作るときの、順番
ここまでに引用した資料に書かれている範囲だけで、順番を並べます。
- じゃがいもは皮つきのままゆでる。 「皮付きで丸ごとゆでると、うまみが流れ出ません」(キユーピー)
- 熱いうちにつぶす。 冷えてからつぶすとでん粉が流出します(キユーピー・1963年の顕微鏡観察・1985年の解説)
- 下味は先に。 「マヨネーズより先に、お酢やフレンチドレッシング等をじゃがいもに混ぜて下味をつける」(キユーピー)
- 野菜は絞ってから合わせる。 きゅうりは重量の40%が抜けたところが好まれました(栄養学雑誌1981・条件つきの目安)。玉ねぎは加熱後にしぼります(キユーピー)
- 和えるのは約40℃。 手をかざしてほんのり温かい程度です(キユーピー)
- 混ぜすぎない。 撹拌が長いとでん粉の流出が多く、ソースがもったりします(キユーピー2022年)
- 和えたら早めに冷やす。 マヨネーズの防腐効果は「野菜や肉・魚と一緒に調理すると素材の水分で」弱まります(キユーピー)
献立の栄養が気になったときは、たんぱく質のかんたん計算機などの無料ツール一覧もどうぞ。
ポテトサラダについて、よくある質問
Q. 何日くらいもちますか?
日数はこの記事では示しません。公的機関が示しているのは温度と時間の管理で、家庭の作り置きに「冷蔵で何日」という基準はないためです。保存の考え方は作り置きはいつまで食べられる?にまとめてあります。
Q. きゅうりは塩もみしたほうがいいですか?
すぐ食べるなら、塩もみなしの食感を勧める公式レシピがあります。翌日まで置くなら、時間をおくと野菜から水が出るという記述のほうが効いてきます。作り置き前提なら、絞る側に寄せるのが筋の通った選び方です。
Q. じゃがいもはゆでるより蒸すほうがいいですか?
成分表の水分は、水煮80.6g、蒸し78.8g、電子レンジ調理78.0gです。ゆでるといも自身も水を含みます。ただし、この差が翌日の水たまりにどれだけ効くかを測った資料は見つかりませんでした。
Q. 水が出てしまったら、捨てて混ぜ直せばいいですか?
その扱いについて書いた公式の記載は、今回の資料にはありませんでした。手順の目安を私の側で作ることはしません。
Q. マヨネーズを増やせば水っぽさは隠せますか?
キユーピーのレシピでは「素材総重量の約20%が目安」とされています。ただし水を減らす方法として書かれたものではありません。水の出どころは野菜なので、絞る工程のほうが直接効きます。
まとめ
翌日の水は、じゃがいもから出たものではありませんでした。
成分表で見ると、きゅうりは95.4%が水で、じゃがいもは79.8%です。ボウルの中でいちばん水が少ないのはマヨネーズの16.6%でした。絞るべき相手は、はっきりしています。
どこまで絞るかには、給食の現場で測られた数字がありました。きゅうりは重量の1%の塩を15分あて、40%が抜けたところが官能検査でいちばん好まれています。ポテトサラダで測ったものではないので目安ですが、感覚だけで判断するよりは足場になります。
もったり重いほうは、別の失敗です。つぶす温度が下がるとでん粉が流れ出ます。1963年の顕微鏡観察と、2022年のメーカーの研究が、同じことを見ていました。
つぶすのは熱いうち、和えるのは約40℃。この2つは矛盾ではなく、工程が違うだけです。
自分の失敗がどれだったかが分かれば、次に直す場所も決まります。
出典
いずれも2026年8月19日に原典を確認しました。学術論文はJ-STAGEの公開PDFです。
- 文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表 八訂 増補2023年):きゅうり・たまねぎ・にんじん・じゃがいも・マヨネーズ 全卵型
- 橋谷淳子・樋口由季「野菜の脱水」栄養学雑誌 Vol.39 No.5(1981年)川村短期大学
- 松元文子・橋谷淳子「マッシュポテトに関する実験(第1報)」家政学雑誌 Vol.14 No.6(1963年)
- 鈴木綾子・堀越フサエ・檜作進「イモの調理に関する基礎的研究(第1報)」家政学雑誌 Vol.22 No.3(1971年)
- 木下枝穂ほか「煮熟ジャガイモの老化に及ぼす本みりんの影響」日本調理科学会誌 Vol.40 No.5(2007年)
- 瓦家千代子「いもの調理」生活衛生 Vol.29 No.3(1985年)
- 三浦靖「凍結・解凍処理によるデンプン老化とO/W型エマルション乳化破壊の機構とその制御」 日本食品科学工学会誌 Vol.59 No.9(2012年)岩手大学農学部
- 公益財団法人 塩事業センター「塩百科」浸透圧・脱水作用
- キユーピー株式会社 とっておきレシピ「ポテトサラダの基本レシピ」
- キユーピー株式会社 とっておきレシピ「コールスローの基本レシピ」
- キユーピー株式会社 とっておきレシピ「マカロニサラダの基本レシピ」「王道ポテトサラダ」
- キユーピー株式会社「よくいただくご質問(マヨネーズ)」
- キユーピー株式会社 ニュースリリース 2019年9月25日「ポテトサラダのおいしい作り方を科学的に解明」(デリア食品と共同)
- キユーピー株式会社 ニュースリリース 2022年9月30日 ポテトサラダの撹拌工程に関する研究(デリア食品と共同)
※ 古い論文からの引用は、文字認識の都合で入る余分な空白を詰めた形で掲載しています。文字そのものは変えていません。