一度解凍した食材の再冷凍がダメと言われる理由。管理栄養士が2つに分けて説明します
こんにちは、管理栄養士のコスモスです。
冷凍庫から出したお肉を解凍したのに、予定が変わって使わなかった。そのまま冷凍庫に戻していいのかどうか、迷いますよね。
調べてみると「再冷凍はダメ」とだけ書かれていることが多いです。でも、ダメの中身は1つではありません。
理由は大きく2つあります。「品質が落ちる」と「菌が増えるリスク」です。
前者はおいしさの問題、後者は衛生の問題。性質がまったく違うので、分けて理解すると次の動き方が見えてきます。
先にひとつ、正直にお伝えしておきますね。今回確認した範囲では、日本の公的機関は「解凍方法によって再冷凍していいかどうか」を分けていませんでした。この記事でも、独自の安全ラインは出さないことにします。
この記事でわかること
- 再冷凍がダメと言われる理由が「品質」と「衛生」の2階建てになっていること
- 品質が落ちる仕組み(氷の結晶と、食品が凍る温度帯)
- 冷凍しても菌は死なない、という厚生労働省の記載
- 冷蔵庫で解凍した場合と常温で解凍した場合が、公的資料でどう扱われているか
- そもそも再冷凍で迷う場面を作らない、小分け冷凍のやり方
再冷凍がダメと言われる理由は、2つに分かれます
まず全体像から見ていきましょう。
公的機関の資料を読み比べると、再冷凍を避ける理由は2つの層に分かれていました。
| 層 | 何が起きるか | 主な出典 |
|---|---|---|
| 品質の層 | 氷の結晶で組織が壊れ、ドリップが出て味や食感が落ちる | 農林水産省 広報誌aff 2021年7月号 |
| 衛生の層 | 冷凍や解凍を繰り返すあいだに、食中毒菌が増える場合がある | 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」 |
農林水産省の広報誌affには、一度溶けた冷凍食品を再凍結しないように、品質が損なわれている可能性がある、と書かれています。これは品質の層のお話。
いっぽう厚生労働省は、解凍した食品をやっぱり使わないからといって「冷凍や解凍を繰り返すのは危険です」と案内しています。こちらは衛生の層ですね。
同じ「再冷凍はダメ」でも、言っている中身が違うわけです。この2つを分けておくと、あとで出てくる話がずっと整理しやすくなります。
出典: 農林水産省 広報誌aff 2021年7月号、厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
理由の1つめ。氷の結晶が組織を壊すから、品質が落ちる
食品が凍るときに起きていること
農林水産省の広報誌affによると、食品はおよそ-1℃から凍りはじめ、-5℃でほぼ凍結します。
食品の中の水分は、この温度帯で氷の結晶になります。そして、この帯を通過する時間が長いほど、氷の結晶は大きく育っていくそうです。
大きな結晶は、食品の組織を壊してしまいます。
反対に、この温度帯をほぼ30分以内で通過させる凍らせ方が急速凍結。組織の損傷を極力少なくする方法として説明されています。「極力少なく」であって、ゼロになるわけではありません。
市販の冷凍食品がきれいな状態を保てるのは、この急速凍結を工場で行っているからなのですね。
出典: 農林水産省 広報誌aff 2021年7月号「おいしさの秘密を探る!冷凍食品豆知識と製造工場レポート」
家庭の冷凍室は、凍らせるのが少し苦手
ここで知っておきたいのが、家庭用の冷凍室の性能です。
農林水産省の「消費者の部屋」には、冷凍室内の温度は通常-18℃程度で、購入した冷凍食品を保存するには適していると書かれています。ただし、食品をゼロから凍結するには不十分だとも。
その結果どうなるか。ゆっくり凍る、いわゆる緩慢凍結になります。
緩慢凍結だと食品の組織が傷み、解凍したときに元の品質に戻らなくなってしまうことがある、と説明されています。
つまり、家で凍らせるときは氷の結晶が大きくなりやすい。解凍したものをもう一度家で凍らせると、この工程をもう一巡することになります。
※このページは農林水産省の回答で、参考資料として一般社団法人日本冷凍食品協会の「よくある質問:冷凍食品Q&A」が挙げられています。
出典: 農林水産省 消費者の部屋「ホームフリージングする際の注意点について教えてください。」(令和7年度更新)
ドリップと一緒に、うまみも出ていきます
解凍したときに出てくる、赤くて透明な液体。あれをドリップと呼びます。
日本冷凍食品協会の解説によると、ドリップの正体は、冷凍した食材の細胞内にあった氷が溶けて出てきた水です。血ではありません。
そして残念なことに、この水と一緒に肉や魚のうまみ成分も流出してしまいます。
組織が壊れる。ドリップが出る。うまみと水分が抜ける。これが、味と食感が落ちていく道すじです。
さらに協会は「保存のコツ Point3:再凍結厳禁」でも注意を促しています。解凍された食品を再び凍らせると、溶け出した水分が固まって食品が変質したり、霜がついて固まりになったりするそうです。
同じ「氷の結晶」がからむ話は、冷凍ご飯がまずくなる本当の理由でも扱っています。あわせて読むと、冷凍食品全体の見え方が変わってくるはずです。
冷凍野菜から水が出るのも、同じ氷の結晶が関わっています。くわしくは冷凍野菜がレンジで水っぽくなる理由にまとめました。
出典: 一般社団法人日本冷凍食品協会 冷食オンライン「知ってる? 冷凍の肉や魚を解凍すると出てくる赤い液体の正体」ほか
どのくらい落ちるか、という数字は見つかりませんでした
ここはきちんと書いておきますね。
再冷凍でドリップが何割増えるのか、栄養素がどれだけ失われるのか。そうした数値は、公的な一次資料でも業界団体の資料でも確認できませんでした。
農林水産省の記載は、お店で解凍して売られている生ものを再凍結すると「おいしさも栄養も極端に落ちてしまいます」という表現までです。定性的な書き方にとどまっています。
ですので、この記事でも「◯%落ちる」という数字は出しません。
理由の2つめ。冷凍しても菌は死なないから
「止まる」であって「いなくなる」ではありません
ここが、いちばん誤解されやすいところだと思います。
厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」に、はっきり書かれています。
冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することがめやす。多くの細菌は10℃では増殖がゆっくりになり、-15℃では増殖が停止する。
そのうえで、こう続きます。「しかし、細菌が死ぬわけではありません。」
冷凍は殺菌ではないのですね。菌の時計を止めているだけ。だから解凍すれば、その時計はまた動きはじめます。
逆方向の誤解にも触れておきましょう。「冷凍庫の中でも菌はどんどん増える」も、原文とは違います。増殖は停止する、と書かれているからです。
止まるけれど、いなくならない。この理解が正確なところです。
出典: 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
解凍した時点で、生の食品に戻っています
日本冷凍食品協会は、こう説明しています。
冷凍食品が解凍されたということは、凍らせる前の状態に戻ったということ。凍らせる前の食品は傷んだり腐ったりするので、解凍された食品にもその危険性がある、と。
同協会の別の記事では、解けた冷凍食品は生ものと同じ、という表現も使われています。
そう考えると、再冷凍という行為の中身が見えてきますね。一度生に戻ったものを、もう一度凍らせている状態です。
出典: 一般社団法人日本冷凍食品協会 冷食オンライン「これはやってはダメ!冷凍食品に関連するNG特集」ほか
公的機関の表現は、どこまでか
大事なところなので、原文の範囲をそのままお伝えします。
厚生労働省の案内は、料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう、というものでした。そのうえで、解凍した食品をやっぱり使わないからといって冷凍や解凍を繰り返すのは危険だとしています。
理由として挙げられているのは、繰り返すと食中毒菌が「増殖したりする場合もあります」という点です。
農林水産省の食中毒予防のページは、もっと直接的です。解凍したけど使わなかったからまた冷凍しておけば大丈夫、ではありません、と書かれています。そして、一度解凍してしまった食品はなるべく早く使い切るように、と続きます。
注目してほしいのは、公的機関の表現がここで止まっていることです。
「再冷凍すると食中毒になります」とは書かれていません。「必ず菌が大量に増えます」とも書かれていません。
私も、そこを超えて怖がらせる書き方はしないでおきますね。
出典: 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」、農林水産省「これで解決!食中毒予防のポイント」
参考:細菌が増えるスピード
イメージだけ持っておくために、ひとつ数字を紹介します。
農林水産省の広報誌affによると、細菌等は時間とともに増殖し、大腸菌の場合は20分で倍になることがあるそうです。
ただしこれは、菌が増えやすい条件での一般的な例。再冷凍した食品で何が起きるかを示した数値ではありません。そこは切り分けて読んでくださいね。
出典: 農林水産省 広報誌aff 2022年12月号「食中毒予防3原則編」
冷蔵庫で解凍したものなら、再冷凍してもいいの?
いちばん知りたいところだと思うので、答えを先に書きます。
解凍方法によって再冷凍の可否を分ける公的な線引きは、見当たりませんでした。
厚生労働省、農林水産省、消費者庁、食品安全委員会。今回確認した範囲では、どの機関も解凍方法で分けていませんでした。
書かれているのは、解凍方法を問わない一律の案内です。冷凍や解凍を繰り返すのは危険(厚生労働省)。一度解凍してしまった食品はなるべく早く使い切る(農林水産省)。
「冷蔵庫で解凍したものだけは戻していい」という基準も、「解凍から◯時間以内なら再冷凍できる」という基準も、日本の公的資料には見つけられませんでした。
だから私からも、その線は引きません。
では、解凍方法で分かれるものは何か
分かれるものは、ちゃんとあります。「解凍しているあいだの菌の増えやすさ」と「ドリップの出やすさ」です。
厚生労働省は、凍った食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめるように案内しています。室温で解凍すると食中毒菌が増える場合があるためです。
すすめられている方法は、冷蔵庫の中か電子レンジ。水を使う場合は、気密性の容器に入れて流水を使う、とされています。
農林水産省の広報誌affも同じ方向です。自然解凍は解凍までに時間がかかり、細菌等が増殖する恐れがあると書かれています。
ドリップのほうは、協会の冷食オンライン「知ってる? 冷凍の肉や魚を解凍すると出てくる赤い液体の正体」が参考になります。冷蔵庫でゆっくり解凍するとドリップをあまり出さずに解凍できる。氷水の中で溶かすのも一つの方法。常温解凍は食材の内部と表面の温度差が大きくなり、ドリップが出やすいのでなるべく避けたほうがよい、とのことです。
つまり、こういう整理になります。
| 論点 | 解凍方法で分かれるか | 出典 |
|---|---|---|
| 解凍中に菌が増えやすいか | 分かれる(室温・自然解凍は増える恐れ) | 厚生労働省/農林水産省aff 2022年12月号 |
| ドリップが出やすいか | 分かれる(常温解凍は出やすい) | 一般社団法人日本冷凍食品協会 |
| 再冷凍してよいかどうか | 分かれない(一律に「繰り返さない」) | 厚生労働省/農林水産省 |
解凍のしかたに良し悪しはある。けれど、それは「再冷凍していいかどうか」の答えにはなっていない。
この2つを混ぜないことが、いちばん大事なところだと感じています。
常温解凍がすべてダメ、というわけでもありません
ひとつ補足を。
農林水産省の冷蔵庫のページには、解凍は「常温(自然解凍)で」と書かれた物以外は、電子レンジや流水などを使って素早く行いましょう、とあります。
条件がついているのがポイントですね。市販の冷凍食品には、自然解凍で食べられるように作られた商品もあります。
パッケージに書かれた解凍方法が優先です。
出典: 農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」
解凍したけれど使わなかった。どうすればいい?
公的資料が示している方向は、シンプルでした。
- 料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理する(厚生労働省)
- 一度解凍してしまった食品は、なるべく早く使い切る(農林水産省)
- 解けてしまった市販の冷凍食品は、再凍結せずその日のうちに食べる(日本冷凍食品協会「これはやってはダメ!冷凍食品に関連するNG特集」)
3つめだけは業界団体の案内になります。日本の公的資料には、いつまでに食べるという時間の線を見つけられませんでした。
案内されているのは「冷凍庫に戻す」ではなく「使い切る」「調理する」という方向です。
ここでも正直に書いておきますね。すでに再冷凍してしまったものを食べていいかどうかについては、公的資料に記載を見つけられませんでした。
そのため、食べられる・食べられないの個別判断は、この記事では書きません。
ひとつ添えておきますね。農林水産省の広報誌には、細菌等は目で見ることはできない、という専門家の説明が載っていました。傷んで腐った状態と、食中毒のリスクとは別のお話なのですね。
だからこそ、判断で悩む場面そのものを作らないほうが早いのだと思います。迷うときは無理をなさらないでください。
調理したあとの保存については、作り置きはいつまで食べられる?管理栄養士が守っている衛生の基本で、食中毒予防の考え方をまとめています。
なお、持病があって食事の管理をされている方は、主治医や担当の管理栄養士の指示を優先してくださいね。
出典: 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」、農林水産省「これで解決!食中毒予防のポイント」、農林水産省 広報誌aff 2022年12月号「食中毒予防3原則編」
そもそも、再冷凍で迷う場面を作らないために
ここからは予防のお話です。公的資料に明確な記載がある部分なので、安心して読んでいただけます。
1回分ずつ小分けにして冷凍する
農林水産省の冷蔵庫のページには、1回で使う量に小分けして冷蔵・冷凍しましょう、と書かれています。1回分に小分けすると、早く冷蔵・冷凍できるからです。
大鍋で作るカレーやシチューについては、別の案内もありました。短時間で温度が下がるよう、底の浅い容器に小分けして冷蔵・冷凍する、という内容です(広報誌aff 2022年12月号)。
小分けにしておけば、必要な分だけ解凍できますよね。使わなかった分を戻すかどうかで悩む場面そのものが、ぐっと減ります。
厚生労働省の「料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう」という案内も、小分けにしてあれば実行しやすくなりますよね。
再冷凍の話は、この予防のところに着地させるのがいちばん確実だと思います。
薄く、平らに、空気を遮断して
凍らせ方にもコツがあります。農林水産省の「消費者の部屋」に紹介されている方法です。
- 調理した食品は、冷ましてから入れる
- 金属製など熱伝導性の良い容器に、食品の厚さを薄くして並べる
- 冷凍室の温度調節を、最も冷える状態にセットする
- 急速凍結機能があれば、それを利用する
- ラップやポリ袋などで、できるだけ空気を遮断する
- 手や道具・器具をよく洗い、微生物や異物などによる汚染を防ぐ
空気を遮断するのは、乾燥と脂肪の酸化を防ぐためだと書かれています。
薄く平らにするのは、先ほどの温度帯を早く通過させるため。家庭の冷凍室でも、できる範囲で急速凍結に近づける工夫ですね。
出典: 農林水産省 消費者の部屋「ホームフリージングする際の注意点について教えてください。」
冷凍庫の詰め方は、資料で書き方が違います
ここは、資料をそのまま並べておきましょう。
厚生労働省は、冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意し、めやすは7割程度としています。
いっぽう日本冷凍食品協会は、扉の開閉を少なくして庫内の温度上昇を防ぐこと、冷凍室内は隙間を少なくすることを挙げています。
冷凍室について、詰めすぎないという案内と、隙間を少なくするという案内が並んでいる形です。どちらが正しいと判定できる資料は見つけられませんでした。
共通しているのは「庫内の温度を上げない」という目的のほう。そこを軸にすると迷いにくいと思います。
冷凍庫の温度は、数字の出どころが2つあります
資料によって数字が違うので、整理しておきますね。
| 数字 | 何の数字か | 出典 |
|---|---|---|
| -15℃以下 | 家庭の冷凍庫を維持するめやす | 厚生労働省 |
| -15℃以下 | 食品衛生法で定められた冷凍食品の保管温度 | 日本冷凍食品協会の解説記事 |
| -18℃以下 | 冷凍室の適温の目安(あくまで目安と記載) | 農林水産省 |
| -18℃以下 | 協会の自主基準(国際的な規格に合わせたもの) | 一般社団法人日本冷凍食品協会 |
根拠がそれぞれ別なので、どちらかが間違いというわけではありません。
農林水産省は「あくまで目安ですが、冷凍室の温度は-18℃以下が適温といわれています」と案内しています。家庭の冷凍室の設定を確認するときの、ひとつの参考になりますね。市販の冷凍食品についても、協会は生産から販売までを通じて-18℃以下という自主基準を定めています。
出典: 厚生労働省、農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」、農林水産省 広報誌aff 2021年7月号、一般社団法人日本冷凍食品協会
家庭で凍らせたものは、いつまでに使う?
似た数字が2つあって取り違えやすいところです。表に分けました。
| 対象 | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 家庭で自分で凍らせたもの | 2週間から3週間以内に使い切る | 農林水産省 消費者の部屋 |
| 市販の冷凍食品を家庭の冷凍庫で保存 | 2か月から3か月で使い切る | 農林水産省 消費者の部屋/日本冷凍食品協会 |
| 市販の冷凍食品を-18℃以下・温度変化を少なくして保存した場合 | 概ね8か月から24か月は最初の品質が保たれる | 農林水産省 消費者の部屋 |
家庭で凍らせたものが短いのは、緩慢凍結による組織の傷みと、保存中の品温変化で品質低下が早く進むためと説明されています。
市販品でも家庭の冷凍庫では2か月から3か月とされているのは、開閉が頻繁で温度変化が起きやすいからですね。
いずれも、品質を保つための目安として書かれた数字になります。
品質低下のサインも5つ挙げられていました。
- 乾燥が進んでいる
- 色が変化している
- 霜が極端についている
- 固まりになっている
- 食品が破損している
どれも品質のサインとして挙げられたもので、食中毒のリスクを見分けるためのものではありません。
出典: 農林水産省 消費者の部屋「冷凍室で保存していた冷凍食品の品質はどれくらい保たれますか。」(令和7年度更新)
お店で解凍して売られている魚は、家で冷凍していい?
これも、実は再冷凍にあたる場面です。
農林水産省の「消費者の部屋」には、お店で解凍して売られている生ものは再凍結することになり、おいしさも栄養も極端に落ちてしまう、と書かれています。
もともと冷凍されていたものが、お店で解凍されて並んでいる。それを買って家の冷凍庫に入れると、2回目の凍結になるわけですね。
ここで書かれているのは品質のお話です。衛生のお話ではありません。
「危険だから買ってはいけない」という記載ではないので、そこは読み違えないようにしたいところです。買ったその日に使う予定なら、悩む必要のない話でもあります。
出典: 農林水産省 消費者の部屋「ホームフリージングする際の注意点について教えてください。」
再冷凍について、よくある質問
Q. 冷蔵庫の中で解凍したものなら、再冷凍してもいいですか?
日本の公的資料に、解凍方法で再冷凍の可否を分けた記載は見つけられませんでした。厚生労働省は解凍方法を区別せず、冷凍や解凍を繰り返すのは危険としています。ですのでこの記事でも、「冷蔵庫解凍なら戻してよい」とは書きません。
Q. 解凍してから何時間以内なら、再冷凍していいですか?
再冷凍の可否を時間で分けた基準は、日本の公的資料には見当たりませんでした。「◯時間以内なら安全」と書けるだけの根拠が確認できていないので、この記事では出しません。
Q. 半解凍の状態なら、冷凍庫に戻しても大丈夫ですか?
半解凍を再び凍らせてよいかを示した公的な記載は、見つけられませんでした。日本冷凍食品協会は半解凍を「外側がやわらかくなっても中心部がまだ凍っている程度」と説明していますが、これは解凍のしかたについての説明です。
Q. 一度解凍したお肉は、他の食材と扱いが違いますか?
お肉だけを別扱いにした公的な基準は見つけられませんでした。厚生労働省も農林水産省も、「冷凍された食品」というくくりで書いています。
Q. 冷凍すれば菌はいなくなりますか?
いいえ。厚生労働省は、-15℃では多くの細菌の増殖が停止するとしたうえで、細菌が死ぬわけではない、と書いています。冷凍は殺菌ではなく、増えるのを止めている状態ですね。
まとめ
- 再冷凍を避ける理由は「品質が落ちる」と「菌が増えるリスク」の2つに分かれる
- 品質側は、氷の結晶が組織を壊し、ドリップと一緒にうまみが出ていくため
- 衛生側は、冷凍しても菌は死なず、解凍すれば凍らせる前の状態に戻るため
- 解凍方法によって再冷凍の可否を分ける公的な線引きは、見つけられなかった
- 公的機関の表現は「繰り返すのは危険」「増殖したりする場合もあります」まで
- 細菌等を目で見ることはできない(農林水産省の広報誌に載った専門家の説明)
- 一度解凍した食品は、なるべく早く使い切る(農林水産省)
- 1回分ずつ小分けにして冷凍すれば、戻すかどうかで迷う場面そのものが減る
再冷凍の話は、答えのない問いを抱えるより、迷う場面を作らないほうが早いです。
次に冷凍するときは、いつもより少しだけ小さく分けてみてください。それだけで、この記事の内容はほとんど不要になります。
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※本記事で紹介した公的資料の記載内容は、2026年8月7日時点で各機関の公式サイトに掲載されていたものです。
※持病の治療中で食事の管理をされている方は、主治医や担当の管理栄養士の指示を優先してください。