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鍋の素で塩分が少ないのはどれ?表示の読み方から管理栄養士が比較

鍋の素の塩分、少ないのはどれ?
コスモス

こんにちは、管理栄養士のコスモスです。

鍋の素の売り場で、裏の表示を見比べたことはありますか。

片方には「1個あたり 食塩相当量3.9g」、もう片方には「100gあたり2.0g」。数字だけ見ると倍近い差に見えますが、そもそも「何あたり」が違います。

だから、この2つはそのまま比べられません。

理由は、数字がのっている土台が商品ごとに違うから。ここさえ分かれば、売り場での選び方がぐっと楽になります。

この記事でわかること

  • 主要メーカーの鍋つゆの食塩相当量(各社公式サイトの表示値を横断比較)
  • 濃縮タイプとストレートタイプで栄養成分表示の基準が違うこと
  • 濃縮の数字をストレートと同じ土俵に直す換算のしかた
  • 鍋つゆ1人前が、食事摂取基準の目標量に対してどのあたりか
  • 売り場で栄養成分表示のどこを見ればいいか

鍋の素の塩分は、なぜ商品ごとにこんなに違って見えるの?

答えは、表示の土台が何種類もあるからです。

今回、6社の公式サイトを確認したところ、栄養成分表示の基準は大きく3つの型に分かれました。ただし、これに収まらない商品もあります。

1. 濃縮・固形タイプ(味の素の鍋キューブ)は「固形キューブ1個あたり」(重さは商品ごとに違います)
2. 濃縮・ポーションタイプ(エバラのプチッと鍋)は「ポーション1個あたり」
3. ストレートタイプ(ミツカン、キッコーマン、モランボンなど)は「100gあたり」

このほかに「1人前50g当たり」「125gあたり」と書かれた商品もありました。基準は最終的に商品ごとです。

1と2は、水で薄める前の「素そのもの」の数値です。3は、そのまま鍋に注ぐ「汁そのもの」の数値。

つまり、前者は濃縮ジュースの原液、後者は薄めたあとの飲み物にあたります。同じ表に並べれば、原液のほうが高く出るのは当たり前ですよね。

数字が大きい商品ほど食塩が多い、とはかぎらないのです。

出典: 味の素、エバラ食品工業、ミツカン、キッコーマン、ヤマキ、モランボン 各社公式サイトの商品情報ページ(栄養成分表示欄・2026年8月7日確認)

濃縮タイプの鍋の素、塩分が少ないのはどれ?

まずは濃縮タイプから見ていきます。今回確認した商品では、公式サイトの使い方欄やレシピで、1個をおよそ1人分として案内していました。だから多くは、1人前あたりの数字としてそのまま読めます。

商品名表示の基準エネルギー食塩相当量
味の素 鍋キューブ 鶏だし・うま塩固形キューブ1個(7.3g)20kcal2.8g
味の素 鍋キューブ 濃厚白湯固形キューブ1個(9.1g)30kcal3.0g
味の素 鍋キューブ 鶏だしコク醤油固形キューブ1個(8.9g)26kcal3.3g
エバラ プチッと鍋 ちゃんこ鍋1個(23g)12kcal3.3g
味の素 鍋キューブ 鯛と帆立の極みだし鍋固形キューブ1個(8.5g)23kcal3.4g
エバラ プチッと鍋 キムチ鍋1個(23g)35kcal3.4g
味の素 鍋キューブ うま辛キムチ固形キューブ1個(8.4g)23kcal3.7g
エバラ プチッと鍋 寄せ鍋1個(23g)20kcal3.9g
エバラ プチッと鍋 濃厚みそ鍋(※)1個(40g)94kcal4.5g

※ 濃厚みそ鍋だけは1個40gです。1個が何人前になるかは、今回確認したエバラ公式のページでは見つけられませんでした。そのため、下の1人前の比較には入れていません。

出典: 味の素株式会社、エバラ食品工業株式会社 各社公式サイトの商品情報ページ(栄養成分表示欄・2026年8月7日確認)

ただし、1人前に加える水の量はメーカーごとに違います。味の素は1人分あたり水180ml(公式商品ページ)、エバラは公式レシピで2人分に水300ml(1人分あたり150ml換算)です。同じ1人前でも、できあがる汁の量はそろいません。なお、エバラの水の量は今回確認した商品ページでは見つけられず、公式レシピから補いました。

1個40gの濃厚みそ鍋を除くと、今回確認した範囲は1個あたり2.8gから3.9gでした。いちばん低かったのは鍋キューブの鶏だし・うま塩です。

エネルギーの差にも注目してください。プチッと鍋の濃厚みそ鍋は1個94kcal、ちゃんこ鍋は1個12kcalです。ただし前者は1個40g、後者は1個23gなので、ポーションの重さの違いも含んだ差になります。

なお、味の素の鍋キューブは、公式ブランドサイトでも「1個1人前」と案内されています。

ヤマキの「楽チン鍋 地鶏だし塩鍋つゆ」は、表示基準そのものが「1人前50g当たり」と書かれた商品です。この1袋あたりの食塩相当量は3.9gでした(ヤマキ株式会社 公式商品情報)。ただし、水を加えて使うのかどうかの記載は、今回確認したページでは見つけられませんでした。そのため上の表とは別枠にしています。

ストレートタイプの鍋の素、塩分が少ないのはどれ?

続いてストレートタイプです。こちらは薄めずに使うので、表示は「100gあたり」に統一されています。

商品名表示の基準エネルギー食塩相当量
ミツカン 〆まで美味しい 濃厚みそ鍋つゆ可食部100gあたり32kcal1.8g
ミツカン 〆まで美味しい 焼あごだし鍋つゆ可食部100gあたり6kcal1.8g
キッコーマン 濃厚豆乳鍋 コク旨鶏白湯100gあたり21kcal1.8g
ミツカン 〆まで美味しい 寄せ鍋つゆ可食部100gあたり9kcal2.0g
モランボン コク旨スープがからむ ごま担々鍋用スープ100g当たり43kcal2.3g
ミツカン 〆まで美味しい キムチ鍋つゆ可食部100gあたり28kcal2.9g

出典: ミツカングループ、キッコーマン株式会社、モランボン株式会社 各社公式サイトの商品情報ページ(栄養成分表示欄・2026年8月7日確認)

ストレートタイプ同士なら、この表はそのまま比較に使えます。100gあたり1.8gから2.9gが、今回の確認範囲でした。

ひとつ正直にお伝えしておきますね。ここに挙げたストレートタイプが「1袋で何人前になるか」は、今回確認した各社の公式ページでは見つけられませんでした。そのため、1人前あたりの食塩相当量を公式情報として確定はできていません。

濃縮とストレート、結局どちらが塩分は少ないの?

ここがこの記事のいちばん大事なところです。

濃縮タイプの3.4gと、ストレートタイプの2.0g。この2つを同じ土俵に乗せてみましょう。

味の素の公式サイトによると、鍋キューブの使い方は「1人分 水180mlにキューブ1個」です。鯛と帆立の極みだし鍋はキューブ1個が8.5gで、食塩相当量は3.4g。

これを水180mlに溶かすと、汁はおよそ188gになります(水は1ml=1gとして計算しています)。3.4gを188gで割り戻すと、100gあたりの食塩相当量はおよそ1.8gです。

そしてミツカンの寄せ鍋つゆストレートは、100gあたり2.0g。

薄めたあとで比べると、この2品はほぼ同じ水準でした。 パッケージの数字が大きく見えたのは、薄める前だったからにすぎません。

ただしこれは、味の違う2品を1組だけ比べた計算例です。商品やフレーバーが変われば前後しますし、加える水の量でも動きます。濃縮タイプのほうが必ず低い、とは言えません。

(この1.8gは公式の公表値ではなく、両社の表示値をもとにした計算値です)

つまり「濃縮タイプは塩分が高い」というのは、表示の読み違いから生まれた誤解になりやすいのです。逆に「ストレートは塩分が低い」も同じ理由で危うい。比べるなら、必ず同じ状態にそろえてからにしてください。

鍋つゆ1人前の塩分は、1日の目標量のどれくらい?

食塩の目安として使えるのが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」です。

18歳以上の食塩相当量の目標量は、男性が1日7.5g未満、女性が6.5g未満と示されています。これは生活習慣病の発症予防を目的とした量です。

この目標量は、健康な人を対象にした数値になります。治療などで別の指示を受けている方は、そちらが優先です。

公式に「1個1人前」と案内されている鍋キューブで見ると、1人前あたり2.8gから3.7gでした。女性の目標量6.5g未満と比べると、およそ4割から6割。男性の7.5g未満なら、3割台から5割ほどにあたります。

商品によっては、鍋つゆだけで1日の目安の半分近くを使う計算になります。

ただし、これは「鍋に入れた量」であって「体に入る量」ではありません。汁をどれだけ飲むかで、実際に取る量は変わります。その飲み方の線引きは、鍋のスープは飲んでいい?でまとめました。

参考までに、令和6年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の食塩摂取量の平均は9.6g(男性10.5g、女性8.9g)でした。こちらは「目指す量」ではなく「いま実際に食べている量の平均」です。目標量とは意味がまったく違うので、混ぜないようにしてくださいね。

出典: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」スライド集(ナトリウムの食事摂取基準)、厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」

表示が紛らわしい鍋の素はある?

売り場で読み違えやすい商品を、3つ挙げておきます。

1つめは、ミツカンの「〆まで美味しい 寄せ鍋つゆ ミニパック」です。

1人前ずつ包装された濃縮タイプですが、栄養成分の表示基準は「可食部100gあたり」で、1袋あたりではありません。100gあたり13.4gという数字だけを見ると、とても高く見えます。

でも1袋は32gなので、袋1つを使い切ったときの食塩相当量は単純計算でおよそ4.3gです。桁を見間違えたまま棚に戻すのは、もったいないですよね。

2つめは、エバラの「キムチ鍋の素」(ボトルタイプ)です。

こちらは100ml当たり9.3g。突出して高く見えますが、これは希釈前の原液の数値です。なお、素と水の割合や何人前になるかは、今回確認したエバラ公式の商品ページでは見つけられませんでした。1人前あたりに換算できていない点は、正直にお伝えしておきます。

3つめは、同じシリーズ内で1個の大きさが変わる例です。

エバラのプチッと鍋は1個23gですが、「濃厚みそ鍋」だけは1個40g。シリーズが同じでも、1個の重さは同じとはかぎりません。

ちなみにキッコーマンの「芯からぽっと 参鶏湯」は、表示基準が「125gあたり」で、1袋(内容量125g)まるごとの数値です。食塩相当量は3.7gと記載されていますが、これはナトリウム量から換算された値として示されています。なお、水を加えて使うタイプかどうかは、今回確認したページでは分かりませんでした。

出典: ミツカングループ、エバラ食品工業株式会社、キッコーマン株式会社 各社公式サイトの商品情報ページ(栄養成分表示欄・2026年8月7日確認)

鍋の素を買うとき、栄養成分表示のどこを見ればいい?

売り場で確かめる順番にまとめました。

手順1 まず「〜あたり」を読む

食塩相当量の数字より先に、その上の単位を見てください。「1個あたり」「100gあたり」「1袋あたり」のどれかで、意味がまるで変わります。

手順2 濃縮なら、1個が1人前かを確かめる

1個1人前なら、その数字がそのまま1人前の食塩相当量です。ここがいちばん読みやすいタイプ。

手順3 ストレート同士、濃縮同士で比べる

タイプをまたいだ比較は、換算するまで保留にします。

手順4 濃縮をストレートと比べたいときは、水を足した重さで割る

水はおよそ1ml=1gとして計算します。式はこれだけです。

食塩相当量 ÷(素の重さg + 加える水g)× 100

先ほどの例なら、3.4 ÷ 188 × 100 でおよそ1.8gになります。加える水の量は、パッケージの使用方法欄をご覧ください。

なお、実際には煮ているあいだに水分が飛んだり、具材から水分が出たりします。あくまで目安の数字ですね。この式で出るのは鍋に入れた汁の濃さで、体に入る量ではありません。

手順5 ボトルの原液タイプは、そのまま比べない

100ml当たりの表示は希釈前の値です。他の商品と横並びにすると、読み違えのもとになります。

鍋の具材でも塩分は増えるの?

野菜や豆腐、生の肉や魚は、塩分をほとんど持ち込みません。

食品(可食部100gあたり)エネルギーたんぱく質食塩相当量
はくさい(結球葉・生)13kcal0.8gほぼ0g
根深ねぎ(葉・軟白・生)35kcal1.4gほぼ0g
木綿豆腐73kcal7.0gほぼ0g
ぶなしめじ(生)26kcal2.7gほぼ0g
しゅんぎく(葉・生)20kcal2.3g0.2g
まだら(生)72kcal17.6g0.3g
にわとり もも(皮つき・生)190kcal16.6g0.2g
ぶた ばら(脂身つき・生)366kcal14.4g0.1g

※ 食品成分データベースの表示上は0ですが、微量(Tr)との区別まではデータベースの表示から確認しきれていないため、「ほぼ0」と書いています。

出典: 文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表 八訂 増補2023年・2026年8月7日確認)

見てのとおり、食塩相当量はほぼ0か、あっても0.3gです。ただし、ちくわやつみれ、餃子などの練り物・加工品は別になります。こちらは下味がついているので、パッケージの食塩相当量を確かめてくださいね。

今回並べた食材で見るかぎり、鍋の塩分の多くは鍋つゆから来ています。だからこそ、買う段階での選択が効いてくるわけですね。

たんぱく質のほうは具材で大きく変わります。まだらや鶏もも肉を入れれば、鍋ひとつでしっかり確保できますよ。目安を知りたい方は今日のたんぱく質、足りてる?かんたん計算機をどうぞ。

鍋の素の塩分について、よくある質問

Q. 鍋の素は塩分が高いのですか?

1人前あたりで見ると、今回確認した濃縮タイプは1個あたり2.8gから3.9gでした。少ない量とは言えません。ただ、パッケージの数字が大きく見える原因の一部は、表示基準の違いによる見え方です。

Q. ストレートタイプのほうが塩分は少ないのですか?

数字が小さく見えるだけ、という場合があります。100gあたりの値と1個あたりの値を並べているためです。薄めたあとで比べた例では、差はぐっと縮まりました。

Q. 塩分控えめの鍋の素を選ぶなら、何を見ればいいですか?

同じタイプの中で比べるのが確実です。今回の範囲では、濃縮タイプは鍋キューブの鶏だし・うま塩(1個2.8g)、ストレートタイプは100gあたり1.8gの3商品が低めでした。ただし商品ラインナップは季節やリニューアルで変わるので、店頭の表示で確かめてください。

Q. 味はどうですか?

私は今回の商品を実際に食べていないので、味の評価は書きません。数字の読み方だけ持ち帰っていただければと思います。

Q. 締めの雑炊やうどんで、塩分は増えますか?

主食そのものの塩分はごくわずかです。ごはん100gがほぼ0g、ゆでうどん100gが0.3g、ゆで中華めん100gが0.2g、もち100gもほぼ0g(文部科学省 食品成分データベース)。増えるとすれば、主食が吸った汁の分ですね。締めの扱いは鍋のスープは飲んでいい?で詳しく書いています。

Q. 手作りの鍋つゆなら塩分は少なくなりますか?

味付けの量しだいなので、今回の資料では比べられません。味噌を使う汁物の考え方は味噌汁の塩分は気にするべき?にまとめています。

まとめ

  • 鍋つゆの栄養成分表示は「キューブ1個あたり」「ポーション1個あたり」「100gあたり」が中心で、これに収まらない商品もある
  • 濃縮タイプの数字は薄める前の値。ストレートタイプの数字は口に入る汁の値
  • 鍋キューブ1個を水180mlで薄めると100gあたりおよそ1.8g。ストレートの2.0gとほぼ同水準(1例の計算値)
  • 鍋キューブ1人前は2.8gから3.7g。女性の目標量6.5g未満に対して、およそ4割から6割
  • 売り場では、食塩相当量の数字より先に「〜あたり」の単位を読む

鍋つゆの数字は、大きい小さいだけでは判断できません。単位をひとつ確認するだけで、比べられるものと比べられないものが見分けられるようになります。

今日の売り場から、ぜひ試してみてください。

計算が面倒なときは管理栄養士が作った無料ツールものぞいてみてくださいね。

※商品のラインナップ、内容量、栄養成分値は2026年8月7日時点で各社公式サイトに掲載されていた内容です。鍋つゆは季節限定品やリニューアルが多いため、購入時は店頭の表示をご確認ください。

※高血圧や腎臓病などで治療中の方は、主治医や担当の管理栄養士の指示を優先してください。

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