【キウイ】皮ごと食べて栄養倍増!
管理栄養士が解説:キウイは皮ごと食べられる?(メリット・下ごしらえ・食べ方)
はじめに
海外では一般的な「皮ごと」食べは、日本でも上手に取り入れれば栄養を無駄なくとれます。この記事では、メリットと注意点、下ごしらえ、食べ方をコンパクトにまとめます。
結論
- キウイは皮ごと食べても問題ありません。
- 皮まわりには食物繊維とポリフェノールが多く、腸活や日々のコンディションづくりに役立ちます。
※皮の近くにアクチニジンが豊富に含まれるため、厚くむき過ぎるとほとんどが失われます。 - 喉のイガイガや口のかゆみが出る方は、アクチニジンなどへの反応の可能性があるため、皮をむいて少量から様子を見てください。

皮ごとの主なメリット
- 食物繊維が増えてお通じケアに役立ちます。
- 抗酸化成分を取りこぼしにくくなります(皮付近に多い傾向があります)。
- 噛む回数が増えて満足感が高まり、食べ過ぎ防止に役立ちます。
デメリットと注意
- 口のかゆみ・刺激感が出る場合があります(酸味やアクチニジンに反応)。その場合は少量から試してください。
- 胃腸が不安定な日は果肉のみに切り替えると安心です。
- カリウム制限中の方は、医師や管理栄養士の指示に従って量を調整してください。
下ごしらえ(3ステップ)
- 流水でこすり洗いします。
- やわらかい野菜ブラシや清潔なスポンジで、うぶ毛をやさしく落とします。※金属たわしやアルミホイルは果皮を傷つけやすいため推奨しません。
- 水気を拭き、薄い輪切りや半月切りにして食べやすくします。
※口当たりが気になる場合は、少量の食塩でもんでからよくすすぐと穏やかになります。
皮を簡単にむくコツ(応用)
洗ったキウイをジッパー付き保存袋に入れて丸ごと冷凍し、食べる直前に流水を30秒ほど当てます。表面が緩んで皮がむけやすくなります。冷凍後は食感がやわらかくなるため、スムージーやヨーグルトに合わせるのがおすすめです。
食べ方アイデア(皮ごとのまま)
- ヨーグルト+薄切りキウイ:はちみつ少量とオートミール大さじ1〜2を添えると満足感が上がります。
- グリーンサラダ:皮ごとの角切りを加え、オリーブ油と塩でシンプルに仕上げます。
- スムージー:皮つき1/2〜1個を短めにブレンドし、食感はお好みで調整します。

そのまま輪切りにして食べてもOK。
品種の目安
- ゴールド系:毛が少なく、皮ごとでも食べやすい傾向です。
- グリーン系:香りが豊かですがうぶ毛が多めです。下ごしらえを丁寧に行うと食べやすくなります。
栄養トピック
アクチニジン(たんぱく質分解酵素):肉・魚・乳の消化を助ける働きがあります。内臓脂肪の蓄積を抑えてくれます。
トリプトファン(必須アミノ酸):セロトニンからメラトニンへの生成に関わり、入眠や睡眠の質を支えます。少量の炭水化物と一緒に、就寝1〜2時間前に小ぶりのキウイ1個程度を目安にすると取り入れやすいです。
まとめ
- キウイは皮ごとでも安全においしく食べられます。食物繊維やポリフェノールを効率よくとれます。
- こすり洗い→うぶ毛ケア→薄切りの手順を守ると、食べやすく続けやすくなります。
- アクチニジンは消化を助け、トリプトファンは睡眠の質を支える栄養素です。体質や体調に合わせて無理なく取り入れてください。
本記事は一般的な栄養情報の解説です。体調や持病に関する重要な判断は、医療機関や管理栄養士にご相談くださいね。
〜大量調理の実習にて〜
当時、栄養学生だった私。
大量調理の献立を班で考えることになり、私はデザート担当を任されました。
ちょうど夏の暑い時期。「せっかくなら爽やかなデザートにしたいなぁ」と考えて思いついたのが…
グリーンキウイとゴールドキウイが入っている!!
その名も
“きらきらゼリー”でした。
ゼラチンとお砂糖、そして2種類のキウイさえあれば準備OKのはずでした。
ところが、いざ試作してみるとなんと、ゼリーが固まらない😭
本来なら透明に光るはずの“きらきらゼリー”が、見事に“どろどろゼリー”に。
その瞬間、心がポキッと折れました(笑)。
慌てて先生に相談すると、
「ゼラチンを寒天かアガーに変えてみるか、キウイを一度加熱した方がいいんじゃないかな?それはどうしてだと思う?」
と逆に問いかけられました。
そこで調べてみると、キウイにはアクチニジンという酵素が含まれていて、ゼラチンの主成分であるコラーゲンを分解してしまうのです。
お肉を柔らかくするのに使われる、あの働きです。
管理栄養士の仕事は、ただ献立と材料をそろえるだけでは不十分だということ。
食材の性質や組み合わせ、そして調理工程まで考えてこそ、本当に活きる献立になるのだと、実習を通して、身にしみました。
あの“どろどろゼリー事件”は失敗だったけれど、私にとっては忘れられない大切な学びです。
これからも試作を重ねながら、みなさまに「おいしくて、ちょっとした工夫のある料理」をお届けしていきたいと思います。