主人公の少年ルークは奴隷狩りによって幼い頃両親を亡くした。
次の奴隷狩りでは最愛の姉がさらわれオークションに出品されてしまう。
その時、神が現れ生殖能力と引き換えにルークに「紙幣を身体から生み出す能力」を授けた。
しかしその紙幣の番号は全て同じで…
ここがすごい!!
あらすじ
ガブール人でありながら『伝統』より『カネ』を中心とする帝国の価値観に理解を示す異端児ルーク。
帝国の支配、奴隷狩りの恐怖からの解放は『商売』こそが唯一の活路であり、自由を勝ち取る方法だと考えている。
その強い欲望を見込まれガブール神から生殖能力の代わりに贋札を生み出す『力』を与えられる。

(射精射幣する度に激しい疲労感と精神の鎮静化といった副作用が起こる)
ルークはハル姉を救うため、ガブール人を迫害から解放するため番号以外『完璧な贋札』をタネ銭に言い値でこの世界を買う計画を企てる…
公民の教科書に載せれるレベルの解説パート
偽札が出回るとどうなるのか?何故インフレが起こるのか?お札はどうやって偽札と区別できる工夫がされているのか?
あらゆる『カネ』について経済の教科書に載せたい程詳しい解説がされている。
しかも面白く分かりやすい。
射幣シーンがあるので載ることはないが。
頭脳戦
IQの高いヤツらがIQの低い感じで頭脳戦を繰り返す。

この作品はページをめくる毎に攻守が逆転する。
完璧な商談を持ちかけるルーク。その商談を了承するも途中で武力でちゃぶ台返しすれば一番得するグレシャム。それを見越して準備するレジャット…
パズルゲームのような頭脳戦から差別により商談が成立しない、相手が馬鹿過ぎて行動が読めない、そもそも贋札が身体から出ることがファンタジーでそれを信じないまともな常識人に諭され交渉ができない等々、様々なバリエーションに富んだ頭脳戦を楽しめる。
人種差別が根幹にあるのに決して暗くならず、むしろギャグで明るく逆手に取るような立ち回りを見せたりものすごいバランス感覚で成り立っている作品です。
このセンスはゴールデンカムイに近いかもだけど、この作品からしか味わえない成分もあり一押しです。
ジャンプ+で読めます。
正直作風から合わないと思う人も結構いると思う!
自分もそうだった。
でもツイッターのトレンドに連日入り始めて、「面白いのでは?」と思って読み返したらめちゃくちゃ面白かった笑
ぜひ一話切りせずにゆっくり読んでください!!